TOKYO ODYSSEY PACHINKO PARLOUR GLITZ

海外メディア「Pingmag」で 私たち東京オデッセイがピックアップされ インタビュー記事となりました。翻訳版を抜粋します。ぜひご覧ください。

Written by Verena / Translated by Natsumi Yamane

PACHINKO PARLOUR GLITZ
新しいファサードデザインの極致…!東京オデッセイによって改装された滋賀県のパチンコパーラー「エンターテイメントオメガ」。改装後のボーナスはカフェとマッサージルーム!(写真 : nacasa&partners)
PACHINKO PARLOUR GLITZ

皆さんもご存知のパチンコ。この狭苦しくて騒々しい、時にうらぶれた場所に首を突っ込んでみると、いかにある特殊な建築事務所がLEDの輝きでパチンコ店を盛り立てているかを知ることができる。それというのも渋谷にある東京オデッセイは、パチンコ店の設計や改装を請け負い日本のラスベガスとも言える派手な輝きを与える会社なのだ。本日のPingMagでは、最新のパチンコホールのデザインと東京オデッセイの代表取締役、渡邉寧人(わたなべやすひと)さんの洗練されたアプローチをご紹介したい。

まずはじめに、東京オデッセイとは何をする会社なのでしょうか?

私たちは、複合型商業施設の建築デザインをはじめ、リゾート施設やラグジュアリーホテル、テーマパークビル、本社オフィスビル、イタリアンレストランや和ダイニング、avex traxをはじめとするショールーム、ディズニーやNIKEなどの展示会イベントなど、様々なジャンルのデザインをしてきました。こうした豊富な実績を基に、新しい設計デザイン概念をアミューズメントホールへも提供すべく新たな挑戦をスタートさせました。

特にデザインに関心のないパチンコホールの存在は、私たちの挑戦するステージとして非常に魅力的でした。そしてパチンコホール経営者の皆さんには、新しい時代の新しい顧客ニーズを生み出す設計概念とデザインは、事業を支援する一翼であり、従来の設計デザインとは大きく違うことを理解していただきながら、その空間がいかに事業をサポートしていくかを創造し、大胆な付加価値を生み出すことを実感して頂きました。

このような考え方でパチンコホールを最初にデザインしたのは、今から15年前に遡ります。そしてこの15年間の間に私たちは「消費者の心の動きをデザインする」デザイン手法を創造し、普通でない「何か」を常に提案してきたのです。

PACHINKO PARLOUR GLITZ
羽虫を惹きつけるかのように人を呼ぶ、新宿の「ライジング」とそのドラマチックなイルミネーション(写真 : nacasa&partners)
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高速に沿うように光る宝石…。北海道の「イーグル登別」。(写真 : nacasa&partners)
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新しくなった「エキサイティングオメガ」の内装は、豪華なシャンデリアのコージャス空間。(写真 : nacasa&partners)

興味深いですね!では良いパチンコホールとはどんなものなのでしょうか?

どのような商業施設でも言えることですが、大切なのはその「業態」の特徴を際立たせ、消費者の来店動機を刺激する事にあります。より多くの人に来店していただき、パチンコというゲームを充分に楽しんでいただくための環境、空間づくりが重要です。つまり、勝ちたいという消費者の心理をデザインすること。単純にデザインするのではなく、店舗周辺の消費者を大胆にキャッチするファサードデザインや、ゲームをやる気にさせるインテリアデザイン。また、消費者が心地よく過ごせる場所でありながら、そこで働くスタッフも行き届いたサービスを提供出来る空間の構築ができるかどうかが、良いパチンコ店かどうかの分かれ目になるでしょう。

パチンコ店のデザインには、独特の方式をお持ちだとうかがいましたが…。

パチンコ店が立地している外部環境までを含め、トータルにデザインを考える事が求められます。立地する周辺の交通量や、立地の視認性、入店導線、競合店との立地優位性等の分析…。これによって建物本体や駐車場の配置、入店導線やサイン設置場所などの大まかなレイアウトが決まります。それはインパクトある視認性の確保や無意識のうちに駐車場へ導かれる導線などについて細かく検討して最終決定されます。

この後さらにパチンコの刺激的なゲームの面白さを伝えるメッセージとしてのファサードのデザインにとりかかります。建物全体がサインとして考えることが東京オデッセイのメソットです。目を奪われ、中に入ってみたくなるような、消費者の感情をわしづかみするような、効果的なデザインは何かを考えます。その時重要なのは、どんなプロフィールの店にしてどんなお客様を一番呼びたいのかを考え、デザインで表現することです。例えば、若い女性をターゲットにしたカジュアルに遊べるパチンコホール、というマーケティングテーマを設定し、デザインを探り、そこから詳細なデザインやエクステリアインテリアデザインを施し、コスト調整や現場管理を通して実際の空間へと到達していきます。

正しい顧客層をターゲットにすることが重要なのですね…。では消費者にとって具合の良い環境というのはどのようなものなのでしょうか?

全てはお客様のためのデザインですから、「気持ちよく消費していただく」が、パチンコホールデザインの特徴的なコンセプトになります。お客様はパチンコホールに「儲けたい」という気持ちでやって来ますが、そればかりではありません。勝ったり負けたりすることによって、繰り返し襲ってくるスリルを味わいに来ているとも言えるのです。そのお客様の心理をより喚起し、あたかもステージに立つ俳優のような気持ちにさせる演出を空間デザインとして提供していきます。つまり私たちがしているデザインは、「お客様が主役の舞台作り」と言っても良いでしょう。

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北海道釧路市の「イーグル・スクエア」の華やかな天井デザインと…(写真 : nacasa&partners)
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千葉に新築された「イーグル・アール」の豪華なフローリング。(写真 : nacasa&partners)
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パチンコ「ラ・フェスタ」の暗闇に浮かぶアトラクションの光。外装には、オーナーの名前からライオンの頭部を模した部分も。(写真 : nacasa&partners)

最後に、以前から疑問に思っていたのですが、パチンコホールはどうしてあんなにも騒々しいのでしょうか?

パチンコホールの騒音は基本的にはパチンコ玉がぶつかり合って起こる重低音が原因になっています。これはパチンコホールのシステム特性上、その重低音を取り除くのは難しいと言われています。が、騒音はパチンコホールの課題ですので、今後パチンコメーカー等も積極的に改善を目指して行くのではないかと思います。またそれ以外の騒音としてホールスタッフがマイクでアナウンスするマイクパフォーマンスがあります。お客様を盛り上げる手法としてどのホールでもやっていますが、賛否両論です。

しかしながら、パチンコホールの将来を考えると、ジャズやポップスが流れる中でカジュアルに遊べる「プチカジノ」のようなオシャレな環境が必要ではないかと思っています。その将来像につながるデザインをしていきたいと考えています。

パチンコホールからジャズが流れる日が楽しみですね!東京オデッセイの渡邉寧人さん、お話をありがとうございました!