年々激減しているパチンコファン。古くからのパチンコファンは高齢化も著しく、パチンコそのものを支える顧客が今後とも激減していくと予測される。
この非常に重要な時期にさしかかり、パチンコ店はどのようなデザインでお客様を迎えればいいのか悩みは尽きない。
この状況の中で『新しいお客様』を誘引するのは重要なことだが、今までのパチンコ店らしいデザインでは『新しいお客様には刺さらない』。
新しい顧客に刺さるインパクトのあるデザインを『ART』に求めた。
エントランスからアート空間に誘う工夫のあるデザイン。ネオンをあしらい、デザインを『ART』に求めた。
アートのベースはニュートロ(Newtro)という「現在or未来(New)」と「過去(Retro)」を融合させた「新しい過去」を意味する、韓国で生まれたデザインの考え方を採用しています。
2018年の半ば頃から使われ、カルチャーに大きな影響を与えており、ノスタルジーの中に、現代の新しい要素を取り入れることで新しい表現が誕生しています。
最近流行りのK-popのPVなどを見るとニュートロの印象が感じられ、「ダサかっこいい」が音楽、PV、ファッションにと、レトロを感じさせるような作りが新しい世代に受けています。
このジャンルは、主にミレニアル世代・Z世代に受けが良いため、パチンコ店の新しいユーザーとなっていただけるようなデザインの施策を試みました。
エントランスから、激しくスロット専門店としてのインパクトと興奮。ニュートロデザインでZ世代にも届くデザインを構築。
床カーペットもニュートロデザインでオリジナルデザインを実施した。
空間全体が一つのテーマで貫かれている。
従来のヘビーユーザーにも目新しい刷新されたデザインは、パチンコ店の変わった感を演出し、ユーザーの期待感を盛り上げることだろう。
新しい世代とともに大胆に変わったデザインは、新しいパチンコ店のデザインとしてスタンダードになっていくと思われる。
そのためには経営するオーナーたちの世代ギャップを認識し、未来の顧客が想像できる感性を磨いていかなくてはならない。
そのためにも私たちは継続してデザイン提言をしていきたいと思っています。
2018年ごろから続いてきたパチンコ不況。風営法改正によって打撃をうけ、さらにコロナ蔓延で負った傷は大きい。
しかし、日本固有の遊戯エンターティメントは日本の国民性とも相まって決して消えはしない。
しかしながら業態や機能や遊戯スタイルを変えながら、様々なパチンコ店が出現してくるだろう。
つまり、今までのパチンコビジネスモデルにとらわれず、斬新な発想で転換していく先に大きな未来が出現するだろうと思える。